Gmail 移行の準備

FLY で Gmail 移行を実行する前に、以下の説明に従って移行の準備を行います。

1.   Gmail 移行では Google グループを配布グループに移行する際、Exchange PowerShell を使用する必要があります。移行前に Exchange PowerShell が移行先で使用可能であることを確認してください。

Exchange オンプレミス サーバーと FLY エージェントが異なるドメインに存在する場合、または 21Vianet を使用するアプリでのみアプリ プロファイル認証を使用する場合、Exchange PowerShell は使用できないことに注意してください。

2.   Microsoft はスロットリングを使用して Microsoft 365 の操作を管理し、スロットリング制限が移行のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。Microsoft 365 のスロットリングを大幅に軽減するため、Microsoft サポートに連絡して、以下の Exchange パラメーターを調整することができます。

    EwsMaxBurst: 制限なし

    EwsRechargeRate: 制限なし

    EwsCutoffBalance: 制限なし

3.   移行先メールボックスの許可されているアイテム サイズが移行に対して十分であることを確認してください。 

4.   エージェント サーバーに夏時間 (DST) のルールが変更されたタイム ゾーン (UTC-04:00) サンティアゴ などが構成されている場合、タスクは移行できません。タスクの正常移行を確保するため、エージェント サーバーのタイム ゾーンを (UTC) 協定世界時 に変更することをお勧めします。

5.   ホールド データ (ホールド メールおよび Google グループ会話を含む) を Exchange に移行する場合、FLY は Google Vault から PST ファイルにホールド データを移行する Google Migration Vault ツールを提供しています。PST ファイル移行 を実行して、エクスポートされたホールド データを Exchange に移行することができます。ホールド データをエクスポートする方法については、付録 G - Google Migration Vault ツールを使用したホールド データのエクスポート を参照してください。

6.   メールボックスを Exchange Online に移行する場合、FLY は移行中にテナントで利用可能な Microsoft 365 ライセンスを移行先ユーザーに割り当てることができます。ただし、FLY は Microsoft 365 で新しいユーザーを自動的にプロビジョニングしないため、移行する前に、移行先テナントでユーザーを準備する必要があります。

*注意: 移行先が Microsoft 365 Multi-Geo テナントであり、特定の場所のユーザーにメールボックスをプロビジョニングする場合、このユーザーに優先されるデータの場所を設定する必要があります。ライセンスがユーザーに割り当てた後、メールボックスはユーザーの希望するデータの場所にプロビジョニングされます。

新しい Microsoft 365 ユーザーを追加する方法については、以下の説明を参照してください。

ユーザーを 個別に 追加する場合、https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/admin/add-users/add-users?view=o365-worldwide を参照してください。

ユーザーを 一括で 追加する場合、https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/enterprise/add-several-users-at-the-same-time?redirectSourcePath=%252fen-us%252farticle%252fadd-several-users-at-the-same-time-to-office-365-admin-help-1f5767ed-e717-4f24-969c-6ea9d412ca88&view=o365-worldwide を参照してください。

PowerShell を使用してユーザーを追加する場合、https://docs.microsoft.com/ja-jp/office365/enterprise/powershell/create-user-accounts-with-office-365-powershell 内の説明を参照してください。

Azure Active Directory (AAD) Sync または AAD Connect を使用してローカル Active Directory のユーザーを Microsoft 365 に同期します。

*注意: お使いの環境で Exchange ハイブリッド展開が使用されている場合、ユーザーの同期についてはサポートまでお問い合わせください。パイロット移行を実行しようとしている場合、先にフィルター ルールを設定して特定のユーザーのみを同期することをお勧めします。

Synchronize All Users:

a.  AAD Sync または AAD Connect をインストールします (フェデレーションに対応する必要のある場合)。

*注意: 同期の前に msExchMailboxGuidNull に設定してください。Exchange ライセンスが割り当てられる場合、msExchMailboxGuid 属性値の変更後のみユーザーメールボックスを作成することができます。

msExchMailboxGuid Null に設定する方法については、以下の説明を参照してください。以下の手順を実行すると、ローカル Active Directory のユーザーを Microsoft 365 に同期することに注意してください。Microsoft 365 に一部のユーザーのみを同期する場合、以下の Set a Filter Rule and Synchronize Included Users を参照してフィルター ルールを設定し、フィルター ルールに含まれているユーザーのみを同期します。

i.   Synchronization Rules Editor を管理者として実行します。

ii.  In from AD – User Exchange を選択し、[Edit] をクリックします。

The Synchronization Rules Editor window

iii. ポップアップ ウィンドウで [Yes] をクリックして、現在のルールを編集します。

The pop-up window

iv. Edit Inbound Synchronization Rule ウィンドウで、Precedence の値を 1 に変更します。

The Precedence value in the Description group

v.  画面左側の Transformations を選択し、msExchMailboxGuid 属性を検索します。

The msExchMailboxGuid attribute

vi. msExchMailboxGuid 属性の以下の設定を構成します。

§ FlowType 列で Expression を選択します。

§ Source 列 に NULL を入力します。

§ Apply Once チェック ボックスを選択します。

§ Update を選択します。

vii. [Save] をクリックして設定を保存します。In from AD – User Exchange – Cloned ルールが自動的に作成、され、元の In from AD – User Exchange が自動的に無効化されます。

b.  AAD Sync または AAD Connect を実行して、ローカル Active Directory のユーザーを Microsoft 365 に同期します。

c.  同期後、Synchronization Rules Editor を使用して、元の In from AD – User Exchange ルールを再度有効化します。元の In from AD – User Exchange ルールを再度有効化する方法については、以下の説明を参照してください。

i.   Synchronization Rules Editor を管理者として実行します。

ii.  In from AD – User Exchange – Cloned を選択し、[Delete] をクリックします。

iii. ポップアップ ウィンドウで、[Yes] をクリックして現在のルールを削除します。

The In from AD – User Exchange - Cloned rule

iv. 元の In from AD – User Exchange ルールを選択し、[Enable] をクリックします。

The original In from AD – User Exchange rule

d.  Exchange Online ライセンスをユーザーに割り当てます。(必須ではありません)

Set a Filter Rule and Synchronize Included Users:

以下の説明を参照してフィルター ルールを設定し、フィルター ルールに含まれているユーザーのみを同期します。

a.  Exchange 管理センターで、同期するユーザーのメールボックスを編集し、メールボックスのカスタム属性を選択してタグを指定します。例えば、属性 5 を選択して、FLYMigration をタグとして入力します。

この手順を繰り返して、複数のメールボックスのカスタム属性を追加します。

メールボックスのカスタム属性を一括追加するには、PowerShell を管理者として実行し、メールボックスのメール アドレス、カスタム属性番号、カスタム属性値を定義することで各メールボックスの Set-Mailbox <email address> -customAttribute "attributevalue" コマンドを構成することもできます。例として、以下のスクリーンショットを参照してください。

Example for configuring custom attribute

b.  Synchronization Rules Editor を管理者として実行します。

c.  In from AD – User Exchange を選択して、[Export] をクリックして、ルールを .txt ファイルにエクスポートします。ファイルの拡張子を編集して、.txt ファイルを .ps1 ファイルに変更します。

The Synchronization Rules Editor window

d.  エクスポートされた .ps1 ファイルを開いて、Name 属性をカスタマイズし、Precedence 属性値を 100 以下に変更し、identifier および ImmutableTag 属性を削除します。

e.  Windows PowerShell を使用してエクスポートされた .ps1 ファイルを実行して、Synchronization Rules Editor でルールを作成します。

f.   新規作成したルールを選択して [編集] をクリックします。

g.  Scoping filter を選択して、[Add clause] をクリックしてフィルター条件を追加します。Attribute 配下の extensionAttribute5 を選択します。Operator 配下の EQUAL を選択して、FLYMigration を属性値として入力します。 

この手順を繰り返して、手順 a に従って別のフィルター条件を追加します。

h.  画面左側の Transformations を選択し、msExchMailboxGuid 属性を検索します。

The msExchMailboxGuid attribute

i.   msExchMailboxGuid 属性の以下の設定を構成します。

FlowType 列で Expression を選択します。

Source 列 に NULL を入力します。

Apply Once チェック ボックスを選択します。

Update を選択します。

j.   [Save] をクリックして設定を保存します。

k.  元の In from AD – User Exchange 同期ルールを選択して、[Edit] をクリックします。

l.   ポップアップ ウィンドウで [Yes] をクリックしてルールを編集します。

The pop-up window

In from AD – User Exchange – Cloned ルールが自動的に作成、され、元の In from AD – User Exchange が自動的に無効化されます。

m. Scoping filter を選択して、[Add clause] をクリックしてフィルター条件を追加します。Attribute 配下の extensionAttribute5 を選択します。Operator 配下の NOTEQUAL を選択して、FLYMigration を属性値として入力します。

filter condition

この手順を繰り返して、手順 a に従って別のフィルター条件を追加します。

n.  [Save] をクリックして設定を保存します。

o.  AAD Sync または AAD Connect を実行して、ローカル Active Directory のユーザーを Microsoft 365 に同期します。フィルター条件に含まれているメールボックス ユーザーのみが同期されます。

p.  同期後、Synchronization Rules Editor を使用して、元の In from AD – User Exchange ルールを再度有効化します。元の In from AD – User Exchange ルールを再度有効化する方法については、以下の説明を参照してください。

i.   Synchronization Rules Editor を管理者として実行します。

ii.  In from AD – User Exchange – Cloned を選択し、[Delete] をクリックします。

iii. ポップアップ ウィンドウで、[Yes] をクリックして現在のルールを削除します。

The In from AD – User Exchange - Cloned rule

iv. 元の In from AD – User Exchange ルールを選択し、[Enable] をクリックします。

The original In from AD – User Exchange rule

q.  Exchange Online ライセンスをユーザーに割り当てます。(必須ではありません)