Exchange 移行の準備

Fly Server Exchange 移行を実行する前に、以下の説明に従って移行の準備を行います。

1.   Exchange 移行では、特定の機能に対して Exchange PowerShell を使用する必要があります。詳細については、付録 F Exchange PowerShell での作業 を参照してください。

2.   移行先メールボックスの許可されているアイテム サイズが移行に対して十分であることを確認してください。

3.   移行先メールボックスの最大受信メッセージ サイズが十分であることを確認してください。

Fly Server は、複数のメールボックスのサイズを簡単に構成できるスクリプトを提供しています。

a.   https://github.com/AvePoint/FLY-Migration/tree/master/Scripts をクリックし、SetMaxReceiveAndSendSize.ps1 スクリプトと MailAddressList.csv ファイルを見つけます。

b.   スクリプトを実行するマシンに SetMaxReceiveAndSendSize.ps1 スクリプトおよび MailAddressList.csv ファイルをダウンロードします。

c.    MailAddressList.csv ファイルを開いて、MailAddress 列でメールボックスのメール アドレスを構成し、MaxReceiveSizeMB 列でメールボックスに設定する希望のサイズを構成します。

CSV file.

d.   ファイルを保存します。

e.   Windows PowerShell を使用してスクリプトを実行します。

f.    実行が完了すると、ウィンドウに表示されているディレクトリにレポートを表示することができます。

Exchange オンプレミスの場合、ペイロードの承諾を許可するために IIS の制限を増加するために、以下のステップを完了する必要もあります。

a.   Exchange サーバーがインストールされているマインで …\FrontEnd\HttpProxy\ews ディレクトリで Web.Config ファイルを検索します。

b.   メモ帳でファイルを開きます。

c.    以下のノードに移動して、設定を構成します。

*注意: Base64 エンコーディングによるサイズの 33% の増加を許可するには、希望する新しい最大サイズ値に 4/3 を掛けてください。

<requestLimits maxAllowedContentLength="300000000" /> 属性の値を 400000000 (300000000*4/3) に更新します。単位は バイト です。

<httpRuntime maxRequestLength="300000" maxUrlLength=" " /> httpRuntime maxRequestLength=" " 属性の値を 400000 (300000*4/3) に更新します。単位は KB です。

<httpsTransport authenticationScheme=" " maxReceivedMessageSize="300000000" maxBufferSize=" " transferMode="Streamed" /> このノードが存在する場合、maxReceivedMessageSize=" " 属性の値を 400000000 (300000000*4/3) に更新します。単位は バイト です。このノードはファイルに複数存在するため、すべてのノードの値を更新することを確認してください。

d.   構成ファイルを保存します。

e.   Exchange サーバーがインストールされているマインで ...\ClientAccess\exchweb\ews ディレクトリで Web.Config ファイルを検索します。

f.    メモ帳でファイルを開きます。

g.   以下のノードに移動して、設定を構成します。

*注意: Base64 エンコーディングによるサイズの 33% の増加を許可するには、希望する新しい最大サイズ値に 4/3 を掛けてください。

<httpsTransport authenticationScheme=" " maxReceivedMessageSize="300000000" maxBufferSize=" " transferMode="Streamed" /> このノードが存在する場合、maxReceivedMessageSize=" " 属性の値を 400000000 (300000000*4/3) に更新します。単位は バイト です。このノードはファイルに複数存在するため、すべてのノードの値を更新することを確認してください。

<httpRuntime maxRequestLength="300000" maxUrlLength=" " /> httpRuntime maxRequestLength=" " 属性の値を 400000 (300000*4/3) に更新します。単位は KB です。

<requestLimits maxAllowedContentLength="300000000" /> 属性値を 400000000 (300000000*4/3) に更新します。単位は バイト です。

h.   構成ファイルを保存します。

i.     Windows PowerShell を開いて、Windows PowerShell ウィンドウに以下のコマンドを入力し、キーボードで Enter キーを押してコマンドを実行して IIS 制限を増加します。

IISReset /noforce

4.   (必須ではありません) 移行元データの取得後、データはダウンロードされ、.fts ファイルとして一時保存されます。.fts ファイルに機密情報が含まれている場合、それらはエージェント サーバーのウイルス対策ソフトで禁止・削除されることがあり、データを移行できない可能性があります。エージェント サーバーのウイルス対策ソフトの許可リストにこのファイル タイプを追加することをお勧めします。

5.   メールボックスを Exchange Online に移行する場合、Fly Server は移行中にテナントで利用可能な Microsoft 365 ライセンスを移行先ユーザーに割り当てることができます。ただし、Fly Server Microsoft 365 で新しいユーザーを自動的にプロビジョニングしないため、移行前に移行先ユーザーが既に存在することを確認してください。

*注意: 移行先が Microsoft 365 Multi-Geo テナントであり、特定場所のユーザーのメールボックスをプロビジョニングする場合、そのユーザーの希望するデータ場所を設定する必要があります。ライセンスがユーザーに割り当てられた後、メールボックスはユーザーの希望するデータ場所でプロビジョニングされます。

新しい Microsoft 365 ユーザーを追加する方法については、以下の説明を参照してください。

    ユーザーを 個別に 追加する場合、https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/admin/add-users/add-users?view=o365-worldwide を参照してください。

    ユーザーを 一括で 追加する場合、https://docs.microsoft.com/ja-jp/microsoft-365/enterprise/add-several-users-at-the-same-time を参照してください。

    PowerShell を使用してユーザーを追加する場合、https://docs.microsoft.com/ja-jp/office365/enterprise/powershell/create-user-accounts-with-office-365-powershell を参照してください。

    Microsoft Entra クラウド同期を使用してローカル Active Directory のユーザーを Microsoft 365 に同期する場合、Microsoft Entra クラウド同期でのユーザーの同期 を参照してください。

    Microsoft Entra Sync または Microsoft Entra connect を使用してローカル Active Directory のユーザーを Microsoft 365 に同期する場合、詳細については、Microsoft Entra Sync または Microsoft Entra Connect でのユーザーの同期 を参照してください。

6.   移行元 Exchange グローバル アドレス一覧 (GAL) のメール アドレスを移行先に同期する場合、Fly Server は同期するスクリプトを提供します。スクリプトは、Fly Server エージェント サーバー上の …\FLY\Agent\bin ディレクトリの ExchangePowershell フォルダーに保存されています。

移行元グローバル アドレス一覧を移行先に同期するには、以下の手順を完了してください。

a.   ExchangePowershell フォルダーの GetMailContacts.ps1 ファイルに移動します。

b.   Windows PowerShell を使用して移行元 Exchange 環境に接続します。

Exchange オンプレミスに接続するには、https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/exchange/connect-to-exchange-servers-using-remote-powershell?view=exchange-ps を参照してください。

Exchange Online に接続するには、https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/exchange/connect-to-exchange-online-powershell?view=exchange-ps を参照してください。

c.    Windows PowerShell GetMailContacts.ps1 スクリプトを実行して、移行元グローバル アドレス一覧のメール アドレスを取得します。すべてのメールボックス タイプのメール アドレスを取得するかどうかを選択します。

Y を入力して、すべてのメールボックス タイプのメール アドレスを取得します。

Enter Y to get all mailboxes.

N を入力して、各メールボックス タイプのメール アドレスを取得するかどうかを選択します。

Enter N to decide the mailbox types you want to get.

d.   実行後、MailContacts_(TimeStamp).csv ファイルがスクリプトと同じディレクトリに生成されます。このファイルで取得したメール アドレスの詳細を表示することができます。

e.   MailContacts.csv MailContacts_(TimeStamp).csv ファイルの名前を置き換えます。

f.    ExchangePowershell フォルダーで AddMailContacts.ps1 ファイルに移動します。

g.   Windows PowerShell を使用して移行先 Exchange 環境に接続します。

Exchange オンプレミスに接続するには、https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/exchange/connect-to-exchange-servers-using-remote-powershell?view=exchange-ps を参照してください。

Exchange Online に接続するには、https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/exchange/connect-to-exchange-online-powershell?view=exchange-ps を参照してください。

h.   Windows PowerShell AddMailContacts.ps1 スクリプトを実行して、取得した移行元メール アドレスを移行先グローバル アドレス一覧に追加します。

メール アドレスが既に移行先に存在する場合、追加できないことを示す警告情報がウィンドウに表示されます。

i.    実行後、スクリプトと同じディレクトリに AddMailContacts_Report_(TimeStamp).csv ファイルが生成されます。このファイルで追加されたメール アドレスと失敗したメール アドレスの両方の詳細を表示することができます。

j.    取得した移行元メール アドレスが移行先グローバル アドレス一覧に追加するかどうかを確認するには、以下の説明を参照してください。

i.    移行先メールボックスで Outlook にログインします。

ii.   ホーム タブをクリックして、新規作成 グループの [新しいメール] をクリックします。

iii.  メッセージ タブをクリックして、名前 グループの [アドレス帳] をクリックします。

iv.   ドロップダウン リストから グローバル アドレス一覧 を選択します。

v.    取得した移行元メール アドレスが移行先グローバル アドレス一覧に追加されているかどうかを確認します。

移行先グローバル アドレス一覧から正常に同期された移行元メール アドレスを削除することもできます。

正常に同期された移行元メール アドレスを削除するには、以下の説明を参照してください。

a.   ExchangePowershell フォルダーで DeleteMailContacts.ps1 ファイルに移動します。

b.   Windows PowerShell を使用して移行先 Exchange 環境に接続します。

Exchange オンプレミスに接続するには、https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/exchange/connect-to-exchange-servers-using-remote-powershell?view=exchange-ps を参照してください。

Exchange Online に接続するには、https://docs.microsoft.com/ja-jp/powershell/exchange/connect-to-exchange-online-powershell?view=exchange-ps を参照してください。

c.    Windows PowerShell DeleteMailContacts.ps1 スクリプトを実行して、移行先グローバル アドレス一覧から正常に同期された移行元メール アドレスを削除します。

メール アドレスが移行先に存在しない場合、削除できないことを示す警告情報がウィンドウに表示されます。

d.   実行後、スクリプトと同じディレクトリに DeleteMailContacts_Report_(TimeStamp).csv ファイルが生成されます。このファイルで削除されたメール アドレスと失敗したメール アドレスの両方の詳細を表示することができます。

e.   正常に同期された移行元メール アドレスが移行先グローバル アドレス一覧から削除されているかどうかを確認するには、以下の説明を参照してください。

i.    移行先メールボックスで Outlook にログインします。

ii.   ホーム タブをクリックして、新規作成 グループの [新しいメール] をクリックします。

iii.  メッセージ タブをクリックして、名前 グループの [アドレス帳] をクリックします。

iv.   アドレス帳 のドロップダウン リストから グローバル アドレス一覧 を選択します。

v.    正常に同期された移行元メール アドレスが移行先グローバル アドレス一覧から削除されているかどうかを確認します。

7.   移行元メールボックスが使用されているが、移行先メールボックスが使用されていない場合に、移行先グローバル アドレス リスト一覧 (GAL) に新しく追加されたメール アドレスを移行先ユーザーに表示しないようにするには、以下の手順を参照して、ユーザーのメール アドレスをグローバル アドレス一覧から非表示にすることができます。

*注意: 移行先グローバル アドレス一覧から非表示できるメールボックスは、ユーザー メールボックス / 共有メールボックス / リソース メールボックスです。

a.   https://github.com/AvePoint/FLY-Migration/tree/master/Scripts をクリックし、HiddenUserFromGAL.ps1 スクリプトと HiddenUserList.csv ファイルを見つけます。

b.   スクリプトを実行するマシンに HiddenUserFromGAL.ps1 スクリプトおよび HiddenUserList.csv ファイルをダウンロードします。

*注意: スクリプトおよびファイルがグローバル アドレス一覧からユーザーのメール アドレスを非表示にする際に使用されるため、スクリプトおよびファイルの保存場所を記憶してください。

c.    HiddenUserList.csv ファイルを開いて、MailAddress 列でユーザーのメール アドレスを構成します。

HiddenUserList.csv file.

d.   ファイルを保存します。

e.   HiddenUserFromGAL.ps1 スクリプトを特定し、Windows PowerShell で実行します。

f.    H を入力し、キーボードの Enter キーを押すと、ユーザーを移行先グローバル アドレス一覧から非表示にすることができます。

g.   実行が完了すると、ウィンドウに表示されているディレクトリに生成される HiddenUser_Report_(TimeStamp).csv ファイルを表示することができます。

*注意: この実行は非表示になっているメール アドレスに影響を与えません。

8.   移行ポリシーで該当するオプションを選択することで、移行元の秘密度ラベルを削除し、移行先の秘密度ラベルをメールに適用することができます。この機能を使用する前に、追加の準備や注意すべき情報があります。詳細については、付録 J 秘密度ラベルの管理に関する情報 を参照してください。

9.   Exchange 移行で Exchange Online PowerShell V3 モジュールを使用するには、Fly Server マネージャー サーバーおよびエージェント サーバーの Windows PowerShell バージョンが 5.1 以降であり、Fly Server マネージャー サーバーおよびエージェント サーバーの .NET Framework バージョンが 4.7.2 以降であることを確認してください。